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コラム

グローバル金融機関とMF

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1.グローバル総合金融サービス企業とマイクロファイナンス

開発途上国における小口融資を目的としたマイクロファイナンスですが、今日では、ゴールドマン・サックス、シティグループ、リーマンブラザーズといった、グローバル総合金融サービス企業も、当事業に参画を始めています。

今回は、2007年5月にモルガン・スタンレーが証券化して販売したBlue Orchard Loans for Development 2007-1(“BOLD2”)について、取上げてみます。

 

2. モルガン・スタンレー Blue Orchard Loans for Development 2007-1

モルガン・スタンレーは、スイスを基点とするマイクロファイナンス投資ファンドに特化したマネジメント会社、ブルーオーチャードと提携して、2007年5月に、ローン担保証券(Collateralized Loan Obligations、以下、「CLO」。)を開発しました。アゼルバイジャン、ボスニア、カンボジア、コロンビア、ケニア、モンゴリア、ニカラグア、ペルー、セルビアといった、12カ国発展途上国に基点を置く20マイクロファイナンス機関(Micro Finance Institutions 以下、「MFI」。)への無担保貸付債権を集めて債権プールを作り、これを裏付けに発行されるCLOを開発、販売しました。マイクロファイナンスの証券化です。
ヨーロッパ、アメリカの銀行、保険会社、投資信託、ヘッジファンドといった、21投資家から集められた110.2百万ドル(約1,100億円)相当の資金は、MFIを通じて、途上国の70,000もの低所得層の起業家に融資されました。

途上国での融資は、現地通貨によって行われますが、一方、投資家を為替リスクよりヘッジするために、通貨はUSドルや英国ポンドといったCLO発行通貨にスワップされます。

モルガン・スタンレーとブルーオーチャードは、2006年にも同様のローン担保債権(BOLD1)を発行していますが、今回BOLD1との大きな違いは、トランシェを異なるリスクレベルで切り分けることで、一部トランシェについて、スタンダード&プアーズによる格付けを得ることが出来たことです。各トランシェについての情報は下記の通りです。AA格付は、当時のウォールマート等と同様です。

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(出所:http://www.morganstanley.com/about/press/articles/4977.html

2008年3月にリリースされたブルーオーチャード ニュースレターによると、20MFI全てが、同月、四半期利払いを期日通りに行っており、投資家に対しても、既に、過去3回分配を行っています。

また、20MFIは、2007年中、全地域において成長を続けており、全資産は、30.7億USドル(約3,070億円)になります。以下のグラフからもその様子は伺えます。

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(出所: http://www.blueorchard.org/jahia/Jahia/site/blueorchard/Products/pid/144

 

3. グローバル総合金融サービス企業とマイクロファイナンスの今後

ゴールドマン・サックスは、2008年3月に、今後5年間で1,000億USドル(約10兆円)をマイクロ・ファイナンス顧客、すなわち、途上国におけるエンド融資利用者の教育に投資していくと発表しています。彼らに、ビジネス・プランニング、マーケティング方法等を学習してもらうことにより、彼らのビジネス・スケール、ひいては、マイクロファイナンス事業の拡大を目指しています。

このようなグローバル金融サービス企業の日本におけるマイクロファイナンスに関する取組みなどについても、今後、レポートしていきます。

※この記事は、旧LIPブログから引き継いだ記事で、書かれている内容は必ずしも最新の状況を反映しておりません